2011/01/05

フランスの文理の偏り

あくまで私見なんですが、フランスの「エリート」たちは日本の場合よりさらに文理のギャップが大きい気がする。理系の生徒は知識が理系科目へ偏重していて、文系はその逆という意味で。(ちなみにフランスにも日本のように文系理系の区別がある)

ぼくが経済学を勉強しているEcole des Pontsは理工系のグランゼコール。以前にも書いたとおり、統計や計量経済学など数学的要素が強い科目の内容が高度で、フランス人の学生たちは難なくそれについて行っている。理系のグランゼコールに入ってきた彼らは、高校を卒業してバカロレアを取った後、プレパと呼ばれる準備学級で2年間みっちり大学レベルの数学を受験勉強してきたから数学は楽勝なのだろう。私は一応理科一類出身なのだが、数学的な側面が強い授業はついていくのがけっこう大変。

ぼくはそんな彼らをいつもすごいなぁと思っているんだけど、グループワークで一緒にレポートをやったりと、意外と彼らはものを書いたりするのについては得意じゃないのかな?とも思えてくる。問題提起⇒展開⇒(提起した問題に答える形で)結論といった基本的な書き方をしなかったり(そうやって書けって書いてあるのに!)、結果に対する考察をほとんどつけなかったり(これはけっこうある)、レポートの見せ方というかストーリー性(ex: 一般的には××言われてるけど、今回はこんな意外な結果が出たよ!ていうのはね、既往研究ではこういう点が見逃されてるからじゃないかな!? みたいな)が考えられてなかったりといった具合に。まぁでも彼らは議論とかプレゼンは強いんだけどね!(フランス語がネイティブだからそう見える説はもちろんあるけど。)

一方、文系の名門であるパリ政治学院で勉強している友達の話だと、経済学の授業で出てくる数学は非常に簡単なそうな。まぁまだ一人にしか話をきいていないからなんとも言えないけど。(ぜひ知ってる方は意見をください!!)

日本の場合、国内での位置づけ的に近いものがある東大と比較するならば、入試の2次試験で理系でも国語が、文系でも数学があるし(もちろんごくまれに数学と理科を満点近くとって、国英はぜんぜんって人もいるけど)、1~2年の駒場の教養課程のときに文理の垣根が低い教育を受ける。だからフランスほど偏ってない気がする。

まぁこの文章こそ「だからなんだ?」って感じやけど、自分の備忘録として。