2010/12/26

通貨で読み解く世界経済

通貨で読み解く世界経済―ドル、ユーロ、人民元、そして円

冬休みで時間もいっぱいあるので、前々から読みたかったこの本を読んだ!

何で人民元はあんなに安いん?
とか
ギリシャの問題って日本でも起こるんじゃないん?
(てかそもそもギリシャの問題って突っ込んで言うとどういうこと?)
とか前々から思ってたから。

新書というよりは、国際金融の近現代史の教科書という印象を受けた。
マクロ経済学の基礎知識がある読者を対象としてると思われ、300ページ未満ながら内容はすごく濃いと思う。おれは普通の新書の3倍以上の時間がかかった。

戦後のブレトン・ウッズ体制からニクソンショックや共通通貨ユーロの誕生、08年の金融危機にいたるまでを事細かに説明してくれていて、そしてそれらを踏まえた国際金融の問題を説明してくれていてとても勉強になった。
マクロ経済学で習った理論が使われながら、実際の問題が説明されていくというのが、経済学を学ぶ学生にとっては読んでいて面白かった。

とはいえ、きちんと理解できたところは7割程度しかないと思うので、留学を終えて帰国するとき(2012年2月)にもう一回読み返したいなと思う。

2010/12/19

2011年の目標、いや今日からがんばる

2011年の目標は、

・自分ならできるという自信
・周囲の人の胸に飛び込んでいく勇気
・うまくいかなくてもそれらを失くさない粘り強さ

の3つを持つこと。自信は過信なくらいの方がいい。実際最近、自信や勇気っていうものを意識してから、生活が格段に楽しくなったし、物事も好転しやすくなった気がする。
なんでもダメもとで試してみる、やってみる。もっと自分から心を開いてみる。もう一歩踏み込んでみる。ダメでもくよくよせず次。

あと、自分が話し手に回ってたくさん話すっていうのにも挑戦しないとな。
おれは日本にいるときから話し手より聞き手が得意で、自分の話をあまりしないんだけど、こっちでは聞き手となることに価値がないからなぁ。話してなんぼの世界やから。

あとは楽しむことやな。今の自分の環境は、まさに考え方次第では辛いとも楽しいとも取れる。そりゃさ、うまく行かないことなんて山ほどあるけどさ、ちょっと見方を変えればinterestingに思えることって多い気がする。

よく考えたら、これらはおれ自身が抱える根本的な問題に根ざしてる気もする。そういう意味では、この色々ある留学生活を通して、それらの問題が俺の前に顕在化したんだろうな。

あと技術的なことでは、勉強面では仏語DALF(C1)と業務レベルの英語と経済学、課外活動面では、野球とワインあたりを頑張っていきたいなと思う。

2011年は攻めの年にするぞー!!!

2010/12/11

従来の成長モデルと新しいモデル

Ecole des Pontsでは、金曜のお昼の時間にCafé des Sciencesという名の、講演会みたいなのがある。
今日は、Jean-Michel Severino氏による経済成長に関する講演だったので、参加してみた。

彼曰く、従来の経済成長モデルは4つ。

1.資源依存型でオランダ病に打ち勝った国(中東をはじめとする産油国)
オイルマネー。

2.双子の赤字モデルの勝者(日本や韓国、ドイツなど)
いわゆる「東アジアの奇跡」。工業製品をアメリカにバンバン輸出して経済成長の原動力とするモデル。

3.人的資源の輸出国(フィリピン、メキシコ、トルコなど)
先進国に出稼ぎに行って、本国に送金するパターン。多くの先進国で少子高齢化が進んでいるのもこのモデルの追い風となるだろうって言ってた。そういえば、「最底辺の10億人 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?」という本でも、内陸国の経済成長手段のひとつとして、海外送金が挙げられてたな。

4.サービス輸出国(インド)
インドのアメリカと連携したIT産業がこのモデルの主な例。ただ、インド以外に現行の例はなく、今後このモデルに当てはまりそうな国をいくつかあげてた。シンガポールとか。


しかし、今後予想される人口爆発とライフスタイルの変化(大量消費)による環境負荷の増大や、先進国の経済成長の行き詰まりなんかを彼は指摘した上で(たぶん他にもいろんなこと言ってたと思うけど)

新しいモデルが必要!

と彼は主張してた。

その後、彼は、保護主義への回帰だけは避けなくてはいけないと主張して、
環境税の導入や、途上国への海外直接投資の増加、などを提案してた(正直あまり聞き取れなかった・・・他にもいろいろあったと思う)


個人的な感想としては、新しいモデルが必要というのは、まったくその通りだと思う。おれは、新しいモデルって言ってるのは主に3つに分けられると思っている。つまり、先進国経済の再活性化のモデル、新興国の経済成長と環境負荷との両立のモデル、最貧国が経済成長を開始するモデル。まぁ分類したところでなんだって話だけどw

あと印象に残ったのは、まだまだ具体策は試行錯誤の段階なんだなってこと。経済学的には答えは出てるけど、政治的に実現できないっていうレベルじゃなくて(いや、環境税はそうかも)、経済学的にもまだ答えは見つかってないみたいな。

とにかくもっと勉強する!

2010/10/09

今学期の履修

9月は旅行や、フランス語、集中講義だったけど、10月から本格的に授業が始まりました!
そこで、ちょっと履修について書こうかと。

■月曜日
午前:交通経済学(Economie des transports)3単位
午後:フランス語(ライティング)2単位(語学)

■火曜日
午前:ゲーム理論(Théorie des jeux)4単位
午後:統計(Statistiques)3単位

■水曜
午前:公共経済学(Economie publique)4単位
午後:フランス語(会話)2単位(語学)
午後:エネルギー(Energie)2単位 他学科

■木曜日
午前:計量経済学(Econométrie)4単位

■金曜日
午前:マクロ経済学(Macroéconomie) 4単位
午後:法律入門(Initiation au droit) 4単位

■集中講義(11月)
不動産の経済学(Economie de l'immobilier) 3単位

こんな感じ。
交通経済学・公共経済学・マクロ経済学は、理論が中心だし、レベル的にもおそらく日本の学部3~4年生くらいの感じで、恐らくついてけると思われる。法律入門は、留学生専用の特別クラスがあって、他学科の留学生たちと受けるから、語学のハンデはないし大丈夫。エネルギーは、他学科の授業で、留学生が多い「都市・環境・交通」学科の授業だし、半期だからまぁ問題ないでしょう。ゲーム理論は、内容は割と高度で、数学駆使してガンガン行く感じで、少し難しいかもやけど、資料しっかしてるし頑張れば何とかなるんじゃないかなという予想。

んで、問題は、統計&計量経済学ね。統計はうちの学科は、情報・数学科と一緒ってのもあって数学的に高度という印象。周りの学生は、以前やったから楽勝!って言ってたけど、おれは数学には自信がないからちょっとついてけるか心配。あと、計量経済学はまだはじまってないけど、友達の話だと、去年は救済措置なしで単位を取れたのは履修者全体の約1/4だったそうな。おわたね、これは。はじめから、救済措置の追加課題をやる気満々ですが何か?

総合的な印象としては、
・フランスは純粋数学を受験のときにめっちゃ勉強する
・Ecole des Pontsはエンジニアリングスクール、つまり理工系のグランゼコールである
という理由から、
数学的側面の強い科目は難しく、文系的側面の強い科目は比較的簡単である
と思った。

今学期は比較的理論系が多いから、語学のハンデもなんとかなると信じてがんばりまする!

2010/10/03

途上国より先進国

9月からEcole des Pontsでの授業がスタートした。
9月はフランス語の授業+集中講義+学科旅行で、10月から普通の講義が始まる。

学科旅行については、うちの学科はブルキナファソに10日ほど行ってきた。
個人的には、アフリカ初だったし、内陸国だし(僕の去年の研究は内陸国がテーマ)、後発開発途上国だし、非常にInterestingだった。

ほんとは、もっと細かくいろんなこと(学校のことやブルキナのこと)について言及すべきなんだろうけど、ちょっと今日、頭の中で少しまとまったことがあるから、そのことについて書きます。

結論から言うと、
いわゆる途上国よりわれわれ先進国の方がヤバいんじゃないかということ。
(まぁ当たり前っちゃ当たり前なんだけどね)

おれが行ったことがある後発開発途上国は、
カンボジア(2007年9月:学生団体vistaの取材)
ラオス(2009年9月:卒業論文のための意見交換)
ブルキナファソ(2010年9月:ENPC学科旅行)
の3ヶ国で、一応、ただの旅行ではなくて、なるべく現状を知ることが目的の訪問だった。
(もちろんそんな短期間の滞在では本質を見るにまで至らないとも思うが。)

正直なところ、いつも感じるのは、
「彼らは彼らなりの楽しい生活を送っているのだ」
ということ。

確かに、
彼らはたくさん問題を抱えてると思うし、彼ら自身もそう(問題があると)言ってる。開発援助は彼らにとって非常に意味のあることだと思う。「JICAから派遣されて来てくれた日本人の方のおかげで生産性が上がってとても助かっている」などとも言ってくれたし。

でも、(めちゃくちゃ使い古された議論だけど)
別に彼らは彼らなりに楽しくやってる。
というか、彼らは彼らが普通だと思う世界で暮らしてるんじゃないかなって思う。

それに、彼らの経済はけっこうなスピードで成長してる。つまり、彼らは日に日に豊かになっているということ。彼らが普通だと思う世界が、より良くなっていっている。

一方、日本や欧州なんかはもう経済が成熟しきって、成長が難しくなってきてる。

例:ラオスと日本の実質経済成長率比較
[世] [画像] - 実質経済成長率の推移(1990~2010年)の比較(日本、ラオス)

そこで、問題なのは、われわれ先進国の人間は豊かな生活を知ってしまっているこということじゃないかなって思う。つまり、われわれは今後、貧しくなる方向に進んだらきっと耐えられないと思うんだ。それでもなお、途上国の人たちより全然豊かだとしても。実際、例えばフランスでは経済の停滞を理由に政府が定年退職の年齢を引き上げただけで、ストライキばっかりしてる。
こういう考えもあって、ここ1~2年、自分の関心が、
途上国開発から日本経済へと移ってきたんじゃないかと思う。
というか、途上国開発と日本経済の成長の両立って言った方が正しいかな?

なんか稚拙な文章だし、
もっと熱心に開発に取り組んでおられる方にとっては、「なに言ってんだ」って感じかもしれないけど、せっかく書いたから投稿しよう。

2010/06/28

解説が詳しいフランス文法問題集

解説が詳しいフランス文法問題集 白水社


やっと、5月に帰国したときに買った「解説が詳しいフランス文法問題集」を終えました!
この本は、一通り初級文法書をやり終えた中級者向けの本で、その名のとおり解説が詳しいです。
時制の一致や、前置詞や冠詞の使い分け、原因・理由・譲歩などの表現など、文章を書くのに必要な要素を詳しく解説してくれています。
特に、私のような大学院で授業を受ける身としては、レポートやテストできちんとした仏語を書くことを求められるので、やってよかったなと思います。万が一、テストで答えがわかってるのに仏語が書けないなんてことになったら、悔しいからね。

さて、語学学校もあとちょうど2ヶ月!
このままでは、全く授業なんてついていける気がしない(笑)
これからは、語彙と聞き取りを中心に勉強を進めようっと!

2010/06/14

雄気堂々

本当に読んでよかった!

城山三郎 雄気堂々〈上〉 (新潮文庫)
城山三郎 雄気堂々〈下〉 (新潮文庫)

一農夫の出身ながら、日本経済の基礎を築くに至った、渋沢栄一の物語。
また、発展途上にあった日本において、後世の発展につながる「仕組みづくり」をした人物の一生を知りたくて読むことにした。

彼自身、田舎にいて、若い頃は尊皇攘夷のための焼き討ちなどを企ててはいたが、理由あって幕臣となったり、理由あってフランスへ留学したりして世界を知り、日本経済の近代的な仕組みづくりが急務であると考え、今日の日本経済の基礎を気づくこととなった。

「志を立てるのは易しいが、堪忍するのは難しく、貴重でもある。」や
「志をたてるだけでは無責任であり、どうしたら志を遂げられるか、その効果はどうか吟味する必要がある」
という点については、特に響いた。
私自身がいま考えている「志」は果たして、日本のため、世界のためになるのだろうか?
どうすればその志を遂げられるのだろうか?という本質的な問いに対して、改めて考えさせられたとともに、その問いに答えるにはまず、(経済をはじめとして)勉強する他ないと再認識した。

また、大政奉還から明治維新への流れや、今日も日本経済を支えている、商社・銀行・運輸などの企業の成り立ちもついでに学べる点も良い。さらに、ストーリー自体もとても面白い。
個人的には非常におススメの本です。

2010/05/17

語学学校での生活

Bonjour!
更新を怠っていましたが、フランスでの生活も落ち着いてきたので徐々に更新していこうと思います。

4月から8月末まで私は、Vichy(パリから特急で南に3時間ほど)という小さな町でCAVILAMという語学学校に通っています。ちなみにホームステイでーす!授業は、90分×3コマ。授業の内容としては、文法に関する講義はそれほど多くなく、ロールプレイングをしたり、議論をしたり、ニュースを聞いたり、プレゼンをしたりといった実践的なものが多い感じです。また、語学学校には図書館が併設されていて、昼食後や放課後はそこで勉強してます!



↑ステイ先の部屋




↑授業風景




↑タイ人の友達とすき焼きパーティー(タイ風vs和風)